活動の様子

8/3-4 未来DESIGN CAMPを終えて

2017/08/05

8/3-4は、ココカラKIDSに1泊2日で、『未来DESIGN CAMP』を行いました!😊*❊☆
今回のテーマは
『未来DESIGN CAMP』プログラミングを通して多様性を深く学ぶ二日間-認知症編-
です!

合宿初日には、「認知症サポーター養成講座」を行い、子供たちが認知症の方のためにプログラミングで解決できることは何かを考え、システムを構築し、合宿二日目に老人ホームで高齢者の方にそのシステムを触っていただくという内容でした。

そのほかにもTopicとして、ダンスの体験や「天体観測」、車でみんなでスーパー銭湯などにも行き、
とっても濃密で楽しい二日間でした。

子供たちはそれぞれ、すごく純粋でお友達思いで、合宿ならではの楽しい思い出もたくさんできました!
濃密な二日間でしたので、ぜひその思い出をこちらに綴りたいと思います!
ブログ後半には、子供たちが作ったシステムの紹介もいたしますので、ぜひ読み進めてくださいね!

一日目
8:25 集合
オリエンテーションを行い、いざ認知症サポーター養成講座!
9:00~10:30 認知症サポーター養成講座
この講座は、普段グループホーム(認知症の方が暮らす施設)の施設長様と、合宿最後に訪問する予定の老人ホームの施設長様が講師という非常に贅沢な講座でした。

子供たちにもわかりやすいように、「認知症の方は記憶の容量が小さくなってしまっているために新しいことを忘れてしまう」ということをボールとカゴを使って教えてくださいました。

また、中盤からはグループホームの施設長様演じる認知症のおばあちゃんが登場!
実際に認知症の方が困っていたらどうする?という内容を
「おうちに帰りたいと言っている」
「ご飯食べていないと言っている」
「お財布が盗まれたと言っている」などのパターンで実践していただきました。
子供たちは「次は自分がやる!」と、一生懸命考えてはおばあちゃん(役)に話しかけていました。
最後は、「認知症の方が困っているのを見たら、みんなは見て見ぬふりをする人にはならないでほしい」というメッセージをいただきました。
子供たちも真剣にお話を聞くことができ、認知症サポーター養成講座受講の証のオレンジリングをいただくことができました!

さぁ!
この後は、どんどん本題に入っていきます。
認知症の方に自分たちができることはなんだろう?
まず、大きなテーマとして、「TVを使いやすくするには?」というテーマが出されました。
自分で他のテーマ(目標)を作ってもいいし、「TVを使いやすく」というテーマで研究してもいい、ということになりました。

引き続き老人ホームの施設長様から「最近のTVのリモコンはボタンが多すぎてなかなか使い方がわからないので、音量がどんどん大きくなってしまったり、自分の見たいTVにチャンネルを合わせられなかったりする」との問題点をお話しいただきました。
また、それ以外にもみんなと交流するという観点では、回想法を使ってのクイズゲームなどもよいのでは、という意見もいただきました。

また、条件として高齢者の方はPCを触ることに慣れていない方も多いので、物理ボタンを自分たちで作り、そのボタンを操作することで、実装できるシステムを作ることになりました。

その後、子供たちは先生と相談し、子供たち全員のテーマが出そろいました。
H1くんはボタンを押すとチャンネルが変わるシステム
Rくんはボタンとスライダー(別のセンサー)も使ってチャンネルが変わるシステム
Yくんはボタンでチャンネルが変わるのと明るさセンサーを使ってTVをつけるシステム
H2くんは回想法を使ったクイズでボタンを2つ作って二択問題を出すシステム
Sくんは娯楽のための音が流れるシステム

これらを作るためには
・プログラミングの理解
・センサーの理解
・物理ボタンの作成
・(人によっては)回路を組む
など必要なことがたくさんありました。

まだ、電流を習っていない子供たちもいる中のボタンづくりも非常に難しかったですし、
プログラミングを初めて学ぶ子供たちが、センサーからの情報を条件文に入れたり、if文(Scratchなので「もし」という日本語のブロック)を使うことによる、動作理解なども非常に難しい内容でした。

一日目は、テーマの検討に大幅に時間をとったので、プログラミングは練習するだけで時間切れとなりました。

一度、プログラミングは中断し、夕方からはお楽しみの時間です♪
16:30 みんなで、ジャズダンスを1時間やったり・・・・

17:30 近くのスーパー銭湯に車で行ったり・・・

19:00 現職のさいたま市議会議員の先生に天体観測の講義をしていただいたりしました。
残念ながら曇天のため、学童保育の中での講義となりましたが、今年の9月にグランドフィナーレを迎える土星の探査機「カッシーニ」の話など、とても興味深い内容が盛りだくさんでした。室内で望遠鏡も組み立ててくださったため、子供たちは興味津々にのぞいていました。

20:00 それからお楽しみの晩ごはんの時間になりました!(諸事情によりスケジュールが組み代わり遅くなりました)

実は、合宿参加者の一人、Sくんはお泊りが大の苦手で、合宿一日目はその不安からずっと悲しそうにしていました。
それを知っていたYくんが夕食のときに「Sくん、実はこういう話があってね・・・。僕も前のお泊りのときにすごく寂しかったんだ。・・・」と話かけてくれました。
大人では「うん、わかるよ、心配だよね」としか言ってあげられませんが、こういうとき子供たちの純粋さはとっても頼もしく、ほほえましく思えました。

Sくんはなんとか、自分の気持ちと戦いながら、寝る時間まで過ごすことができました。

寝るときも子供たちは率先してお布団の準備も手伝ってくれ、最後まで笑いが絶えず、みんな声を出すのをやめてからは1分くらいで眠りについてくれました。

22:00 就寝

二日目
朝6:30 事務室で待っていても誰も起きてこないので、仕方なく起こしにいくことに。
みんなぐっすり~。ダンスもしたし疲れたようです。
みんなが起きるとSくんは「僕お泊りできた!」と非常にうれしそうに報告してくれました。

さて、朝ごはん、朝の会、朝の運動を終わらせて、
プログラミングに取り掛かりましょう!

みんなの前日の完成度は0~50%程度。早く終わらせないと間に合いません!

13:30にはココカラKIDSを出て施設に向かうので、みんなに「急がないと間に合わない」という自覚をもってもらい、8:00活動開始!
12:00のお昼ご飯までの間、ほぼノンストップでプログラミングに集中してもらいました。
多分、4時間もの間、難しい問題に取り組むことはこれまでになかなかない経験だったのではないでしょうか。
「やるときはやろう!」という思いは子供たちに届き、みんな本当に一生懸命取り組んでくれました。
自分で作ったボタンやプログラミングが思い通りに動かないこともしばしばあります。
「なんでだ~動かない~」と言いながらもみんなPCにかじりつき、色々なパターンを試してくれました。
機械は嘘をつかないので、うまく動かないということは必ずどこかに原因があります。
自分で問題をみつけたり、それを解決する能力は非常に重要で、むしろ「何が出来上がったか」よりも、今は、一生懸命悩んで、あきらめずに取り組むことの大切さを学んでほしいと思いました。
H1くんは、「Simple is bset.」と言って、一番早くシステムを作り上げ、プレゼンテーションの練習をしていました。
H2くんも、回想法を使ったクイズということで自分と80歳も年の違う人へのクイズは何を出したらいいんだろうと一生懸命頭を悩ませていました。

12:00 Rくんを除いた4人がシステムを無事完成することができ、お昼ご飯にすることにしました。
Rくんは決して一人だけできないのではなく、むしろ一番プログラミングが得意なので、すべて一人で作ってもらいました。
(Rくんは普段から学童でプログラミングをしています)
多分学校では、なかなか一人だけお昼休みに勉強させることはないと思いますが、「Rくんはお昼早く終わらせて最後もう少しなので完成させましょう」というと素直にそれを納得してくれました。
期限に間に合わせるということの重要さを理解してくれているんだと感じました。

実際には、Rくん以外の子供もお昼ご飯を食べ終わると、全員、活動に戻り施設に行った際のプレゼンテーションの準備を始めてくれました。
先生が強く言わなくても、きちんと理解さえしていれば子供たちは自分たちでやるんだなと教えられた瞬間でした。

みんなが一生懸命取り組んでくれたおかげで、全員が時間に間に合い、システムを作り終え、プレゼンテーションの練習も終えることができました。

いざ、施設へ!ということで車に乗り込み、老人ホームへ。
施設の食堂を使わせていただき、子供たち一人ひとりが入居者様の前で、自分が作ったもののプレゼンテーションを行い、その後、何人かの入居者様に実際のシステムを触って体験していただきました。

交流を見ているとここで大きな問題が出てきました。
子供たちはプレゼンテーションは上手にできましたが、一対一で入居者様に対して、自分の作ったものを上手に説明することができませんでした。

途中、先生がフォローに入り、説明を行いましたが、言葉がうまく見つからず説明ができていないようでした。
この問題についてはブログの最後に考察したいと思います。

そして、交流を終え、学童保育に戻りました。
最後にみんなには合宿の感想を発表してもらい、修了証を授与して合宿を終えました。
Rくんが「秋にもやるの?やってよ!」と言ってくれたり「2泊4日がよかった~!」と言ってくれたり(2泊3日じゃないところはご愛敬)、Yくんが「これで終わると思うと寂しいな」と言ってくれ、合宿は子供たちにとっても実りのあるものになったと感じました。

このようにして1泊2日の合宿は怪我もなく無事終えることができました。

最後に、、、
老人ホームでうまく説明ができなかったように、
子供たちが自分の行った活動を人にうまく伝えられないというのは、これまでの通常の学童保育でも何度か感じたことがありました。
子供たちは自分の活動をうまく親や他の人に伝えられないという現実があります。

子供たちにとってはそれは嘘をついたというわけではないのですが、結果的に嘘になってしまうことさえあります。

メタ認知(人間が自分自身を認識するときに、自分の行動や考えを客観的に把握すること)の能力が育っていないということが原因だと考えます。
一般的には9歳ごろから育っていくとされています。しかし学童保育ココカラKIDSでは、日ごろより「放課後デザイン」の中で子供たち自身が自分の活動をデザインするということを実施してもらっているため、今後はもっと子供たちに自分の活動に責任を持ち、しっかりと人に伝えることができるよう、能力を育てる必要があると感じました。

改めて私たちにも大きな課題を残してくれた合宿となりました。
これからの学童保育の取り組みの中で、放課後デザインの活動に包括してメタ認知能力を育てる試みも行っていけるよう、今後の学童保育の取り組みに落とし込んでいきたいと思います。

次回は秋~冬にCAMPを行いたいと思います!
今回参加してくれた子も、参加しなかった子も、ぜひ次回は参加してみてください!
絶対に良い経験になると思います!

では、また!😊☆